西蒲区にある “越後曹洞宗四箇道場” の一つ『種月寺』の歴史とは?

新潟市の中で一番の面積を誇る西蒲区。
その西蒲区にある、『種月寺(しゅげつじ)』が“越後曹洞宗四箇道場”の一つだということをご存知でしょうか?
この“越後曹洞宗四箇道場”と呼ばれる寺院は、新潟県内に4箇所存在しています。
『種月寺』の他の3箇所は、村上市にある『耕雲寺』、南魚沼市にある『雲洞庵』、五泉市にある『慈光寺』。
それぞれ少し離れた場所に位置していますが、その中でも種月寺と慈光寺は比較的近いので、同日に巡ることも可能な範囲です。
■西蒲区にある『種月寺』とは
『種月寺』は、1446年(文安3年)に開創されたと言われています。
開基は上杉房朝、中興開基は上杉謙信が行ったとされていて、本堂は国指定重要文化財、開山直筆の書籍は県指定重要文化財に指定されている歴史ある寺院です。
この本堂は改造も少なく保存状態が良いことから、曹洞宗本堂の代表例としても大変貴重なものです。地域の人々や先祖代々の方によって大切に守られてきたのですね。
建物自体も、間口24メートルという規模の大きい建築物でその見応えも抜群。現在の本堂は元禄12年に建てられたものだそうです。
その技術も、八室構成になっていたり前面に土間がある創りなど、随所に曹洞宗本堂の特徴が現れています。
毎年6月19日には、開山忌で防火の護符を配る習わしがあり、今も変わらず続いています。
■他3つの越後曹洞宗四箇道場
・村上市にある『耕雲寺』
『耕雲寺』は、1394年(応永元年)に開創され、越後曹洞宗四箇道場の中で最初に開創された寺院です。最盛期には100名を超える僧侶が修行に励んでいたとされています。
・南魚沼市にある『雲洞庵』
『雲洞庵』は717年(養老元年)に、藤原房前が母である千妣尼の冥福を祈って供養するために建てたと言われています。上杉景勝、直江兼続も幼少期に修行をしたと言われ、修行道場として栄えました。本堂は県の指定文化財にもなっています。
・五泉市にある『慈光寺』
『慈光寺』は1403年(応永10年)に傑堂能勝禅師により開創されました。
本堂・庫裡・坐禅堂衆寮・山門・回廊・経蔵・虚空蔵堂は、国指定登録有形文化財に指定されています。
どちらか1つだけ知っていた方や4つとも知らなかったという方、新潟が誇る歴史のある寺院を訪れてみてはいかがでしょうか。