新潟県のちょっと珍しいお葬式の風習やしきたり

各県でお葬式のしきたりが異なることをご存知ですか?
例えば、関西の方では御香典袋に黄色と白の水引を使うのが一般的だったり、茨城県では、清めの塩と一緒に鰹節を食べる風習のある地域もあります。
新潟県にも多くのしきたりが存在します。
■新潟県のちょっと変わったお葬式のしきたりとは?
<お通夜に紅白の水引>
新潟県の一部の地域では、お通夜の香典袋のほかに、紅白の水引をかけ「お見舞い」と書いた袋を用意することがあります。
このしきたりを知らない他の地域の人はびっくりすることでしょう。
でもこれは、決しておめでたいという意味を表しているのではなく、「入院中にはお見舞いに行けず申し訳ありませんが、受け取ってください」という意味が込められています。
入院中にお見舞いに行けなかった方が、お見舞金をお通夜の席で渡すという意味なのです。
<米どころ新潟ならではの振る舞い>
お葬式の際には新潟県産の美味しいお米で作ったおにぎりと、煮しめのセットが出されます。
これは「出馬のむすび」といって、一部の地域で根付いている風習です。
さらにお通夜へお米を持ってくるという風習のあるところも。米どころ新潟ならではの風習かもしれませんね。
<出棺の際に行う放生の儀式>
農村部などでは「放生(ほうじょう)」という風習が残っています。
この風習は、鳥を空へ放ったり、川などに魚を逃がすというもので、捕らえられた生き物を逃がすことで徳を積むという意味があるようです。
“生き物を助けることで、故人があの世で少しでも良い思いができるように”という願いが込められています。
<火葬後は白いロウソクから赤いロウソクに>
葬儀の際のロウソクは一般的に黒や白のものを用いることが多いですが、新潟県の一部では火葬の後に、そのロウソクを赤いロウソクに変える地域があります。
また、精進落しでお赤飯を用意したり、黒塗りの御膳を漆塗りのものに変えるなどして、全ての色を赤色にしていきます。
これには、「故人が仏さまになったのはおめでたいこと」という意味と、縁起の良いとされる赤に変えることで、「葬儀の後は縁起が良くなるよう」切り替えるという意味など、諸説あるようです。
新潟県にはこういった教えを現代も続けている地域が、まだ各地にあります。
ずっと守り続けているという新潟県民の素敵な人間性が現れているしきたりですね。